支払い能力がないなら請求しても無駄?

婚約男女

行政書士

ここでは、元婚約者に慰謝料を請求しようにも、元婚約者に支払い能力がない場合について検討しましょう。

質問

支払い能力がないなら、請求しても無駄なのでしょうか……

 確かに、一般的な支払い能力を有する相手に請求するよりも、慰謝料を得ることは困難な場合が多いです。

行政書士

しかし、絶対に慰謝料が支払われないということはないので、請求しても無駄ということにはなりません。

 

質問

でも、支払い能力がないのに、どうやって支払うのですか?

親への請求の可否

行政書士

まず、元婚約者本人以外に支払ってもらう方法を考えましょう。

質問

本人以外と言うと……

行政書士

さすがに友人や知人が支払ってくれるとは思いませんので、具体的には、元婚約者の親です。

原則不可

質問

慰謝料を親へ請求しても良いのですか?

行政書士

婚約はあくまでも当事者間の問題です。
つまり、親は本来無関係です。

困惑

ということは……

行政書士

原則として、親へ請求することはできません。

お願いであれば可

行政書士

ただし、お願いすることは問題ありません。

質問

お願い?

例えば、「ご子息が払えないので、代わりにお支払いいただけないですか?」という感じです。

強制は不可

質問

そのお願いを断られたら?

行政書士

あくまでもお願いできるだけですので、「嫌です」と言われれば、それ以上は何もできません。

つまり、親に支払いを強制することはできません。

支払えないということはあり得ない

質問

親から支払いを断られたら、他に手はないのですか?

履行不能にはならない

行政書士

そもそも、慰謝料支払い義務のような金銭債務は、履行できない(履行不能)ということがあり得ません。

質問

なぜですか?
お金がないなら、履行できないのではないでしょうか?

履行不能の典型例

例えば、中古住宅を購入する契約を締結したところ、その引き渡し前に中古住宅が火災によって消滅したとします。
この場合、その中古住宅は世の中にひとつしかないのですから、引き渡すことなど不可能です。
これが履行不能の典型例です。

金銭債務の場合

これに対して、慰謝料支払い義務のような金銭債務の場合、その人自身が現状でお金を持っていないとしても、世の中にはいくらでもお金はあります。

行政書士

したがって、それを調達してくれば良いのです。

困惑

屁理屈にしか聞こえません……

行政書士

私もそう思います。
しかし、これが法律の理屈なのです。

そのため、慰謝料支払い義務のような金銭債務の場合、「お金がないから支払えない」ということはあり得ないのです。

分割での支払い

質問

理屈はそうだとしても、現実問題としてないものはないですよね?

行政書士

はい。
そこで、現時点で支払えないのであれば、分割で支払わせれば良いのです。

月に1万円ずつを10年間支払い続ければ、その支払い総額は120万円になります。
そして、月に1万円程度であれば、お酒やタバコをやめたり、食費を削ったりする等の多少の我慢をすることによって、捻出することは可能でしょう。

行政書士

このように、元婚約者に支払い能力がない場合であっても、分割で支払わせることによって、泣き寝入りすることなく、慰謝料を得ることも可能なのです。

したがって、元婚約者に支払い能力がないからと最初から諦める必要はないのです。

示談書・公正証書の作成は必須

行政書士

なお、分割で慰謝料を支払わせる場合には、示談書の作成はもとより、公正証書の作成も必須ですので、その点は注意されてください。

示談書については→こちらの婚約破棄の示談書作成を、公正証書については→こちらの婚約破棄の公正証書の作成を参考にされてください。

慰謝料請求に失敗するのはどのようなタイプ?

慰謝料を請求することで気持ちを切り替えるためには、その請求が成功したほうが良いことは間違いありませんが、中には請求が失敗する人もいます。
それでは、どのようなタイプの人が慰謝料請求に失敗するのでしょうか?
それについては→次のページ(婚約破棄の慰謝料請求が失敗するタイプの人)で説明しております。

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