謝罪と不倫の慰謝料額の関係

謝罪は道義的には当然のこと

謝罪

不倫・浮気の慰謝料請求をされた際には、そもそも肉体関係を持っていないにも関わらず請求者が「不倫関係があった!」と勘違いしているだけであることもあります。
また、婚姻関係が完全に破綻した後(長期間別居しているなど)の不倫関係であることもあります。
更に、相手を既婚者と知らなかったし、注意しても知ることができなかった場合もあります。

そして、これらの事情がある場合には、→こちらの不倫の慰謝料を請求されても支払わなくてもいい場合でご説明しておりますように、原則として慰謝料を支払う必要はありません。

逆に、これらの責められるべき事情が全くないような場合を除き、被害者に対して謝罪をするというのが道義的に考えれば当然のことと言えるでしょう。

謝罪

また、慰謝料請求者は金銭よりも真摯な謝罪を求めていることが多いです。
したがって、きちんと謝罪をしたほうが円満に解決できる可能性は高くなります。

謝罪の有無は慰謝料額に影響するか?

更に、謝罪をしたかどうかは、慰謝料額に影響を与えます。
そもそも、きちんとした謝罪をすれば妥当な範囲で許してもらえることも多いですし、詳しくは下記を参照していただきたいのですが、多くの裁判例で謝罪していることを理由に慰謝料を減額している一方、謝罪していないことを理由に慰謝料を増額しています。

謝罪したことを減額理由としている裁判例

疑問

上記のような道義的な面からではなく、謝罪と慰謝料額にはどのような関係があるのでしょうか?

不倫の加害者が被害者に対して謝罪したことを慰謝料の減額理由としている裁判例は多数存在します。

  • ※参考裁判例1(平成23年2月24日東京地裁)
  • 被告は本件不貞行為について自己の非を認め、一応原告に陳謝していることをも斟酌すれば~

このように、被告である慰謝料を請求された人が、自身の非を認めて、原告である請求者に謝罪したことを考慮して、慰謝料額を決定している(減額の理由にしている)わけです。

ポイント

ここがポイント!


被害者に謝罪したことを理由に慰謝料が減額された裁判例は多数ある。

謝罪しないことを増額理由としている裁判例

逆に、不倫の加害者が被害者に対して謝罪しないことを慰謝料の増額理由としている裁判例も多数存在します。

  • ※参考裁判例2(平成20年10月8日東京地裁)
  • 被告は不貞行為について未だ原告に対して謝罪をしていなことを考慮し~
  • ※参考裁判例3(平成22年9月13日東京地裁)
  • 被告は、不貞行為の存在を否定するため、不自然な弁解を弄しており原告に対する謝意を表していない~

このように、不貞行為が発覚した後も謝罪していないことや、不貞行為を否定していることを考慮して、慰謝料額を決定している(増額の理由にしている)わけです。

ポイント

ここがポイント!


謝罪していないことを理由に慰謝料が増額された裁判例も多数ある。

結論

裁判

以上のように不倫発覚後に素直に謝罪している事例においては、裁判所はそれを慰謝料の減額理由として取り上げているいます。

一方、不倫を悪いことと思っていないのか、弁護士等の指示なのか、意地になっているのか理由は不明であるものの、不倫発覚後も謝罪してない事例においては、裁判所はそれを慰謝料の増額理由として取り上げているといえます。

なお、裁判所を介することなく当事者間で和解する場合でも、真摯な謝罪を受けた慰謝料請求者は加害者からの減額要求に応じる可能性が高いでしょう。
逆に謝罪すらせずに減額を求めてくる加害者に対しては、その要求になかなか応じようとしないのは言うまでもありません。

不誠実な態度

不倫発覚後の謝罪とある程度似た問題として、例えば上記裁判例3の「不貞行為の存在を否定するため、不自然な弁解を弄しており」とあるように、謝罪をしているか、謝罪していないかとともに、不倫発覚後に加害者が不誠実な態度を取った場合は、慰謝料の増額理由としている判例も多数存在します。

  • ※参考裁判例4(平成22年12月9日東京地裁)
  • 被告は、本件においても肉体関係を否定するなど、原告に対して不誠実な対応に終始している~
  • ※参考裁判例5(平成23年5月16日東京地裁)
  • 被告は、本件訴訟において、不貞関係を否定し、不自然な弁解を弄している~

結論

裁判

確かに、仮に不倫をしていたとしても、その関係を否定して、原告である請求者が不貞関係を証明することができなければ、不貞関係はなかったものとして扱われ、慰謝料はゼロという判決を得ることができます。

しかし、不貞関係を否定し続けた場合において、裁判所に不貞関係があったと認定されてしまえば、それは不誠実な態度を取っていたとして慰謝料の増額理由として取り上げていると言えます。
要するに、不倫が発覚した後に認めて謝罪していれば、100万円を支払うだけですんだのに、不倫関係を否定するために不誠実な態度を取っていたことにより、150万円の支払いを命じられたようなイメージです。

当たり前の話ではありますが、嘘をつくのであれば、バレたときのリスクも覚悟する必要がありますね。

ポイント

ここがポイント!


不倫問題が発覚後に不誠実な態度を取っていれば、慰謝料は増額される可能性がある。

誓約書を要求されたらどうする?

上記のように謝罪があったことを理由に減額している判例や、謝罪がないことを理由に増額している裁判例があり、謝罪文の提出は謝罪をしたという確かな証となります。
そして、慰謝料請求時に謝罪文とともに要求されることが多いものとして、「夫(妻)と一切の接触をしない旨の誓約」を記載した誓約書があります。
それでは、このような誓約書を要求された場合はどのように対応すれば良いのでしょうか?
それについては→次のページ(不倫の誓約書)で説明しています。

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