勤務先を同じくするもの同士の不倫は非常に多い

別れ

行政書士

勤務先を同じくするもの同士が不倫(職場内不倫)関係になるという事例は非常に多いです。
そこで、ここでは、職場内における不倫問題について検討しましょう。

職場内不倫が多い理由

質問

なぜ職場内不倫は多いのですか?

過ごす時間が長い

まず、その人の勤務先によりましては、家族と過ごす時間よりも、勤務先の上司・同僚・部下等と過ごす時間のほうが長いこともあります。

行政書士

そして、それだけ長時間一緒に過ごしていれば、ふとしたことをきっかけに不倫関係になることもあるのからでしょう。

共通のストレス

また、社会に出て働いていれば、人は誰しも多かれ少なかれ仕事上のストレスを抱えています。

行政書士

そのため、その現実から逃避しようと不倫関係に陥る人が多いからでしょう。

そして、職場内の相手であれば「あの馬鹿上司にまた怒られた……」「あいつ嫌よね~」という感じで、共通のストレスを有しているので、深い関係になりやすいのです。

行政書士

本来(?)であれば、家族と過ごしたり、友人等と遊んだりすることによって、その現実から逃避すべきだと思うのですが……

請求相手

行政書士

次に、職場内不倫が発覚した場合、慰謝料を請求する相手について検討しましょう。

不倫相手

行政書士

まず、不倫相手ですが……

なるほど

当然請求できますよね!

行政書士

はい。
既婚者と知りながら肉体関係を持ったのであれば、原則として請求可能です。

勤務先

質問

不倫相手に対してだけでなく、その勤務先にも請求できるのですか?

ときどき、そのような相談を受けることがありますが、このようなご相談をされる方は、おそらく民法715条1項を根拠にしていると思われます。

参考条文(民法715条1項)

ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。

しかし、職場内不倫はその当事者間の仕事と関係なくプライベートで行われたものでありますから、民法715条1項の言う「事業の執行」と解釈することには無理があります。

行政書士

そのため、職場内不倫の問題について、使用者(勤務先)の責任を問うこと(損害賠償請求をすること)は不可能です。

勤務先に不倫の事実を通知することの可否

質問

勤務先へ慰謝料を請求できないにしても、職場内不倫の事実を勤務先に通知して、何らかの対処を求めることは可能なのでしょうか?

行政書士

職場内不倫の事実を勤務先に通知する時点における不倫関係と夫婦関係には以下のような4パターンが考えられます。

婚姻を継続する

行政書士

まず、夫婦が今後も婚姻を継続する場合です。

不倫関係が解消されている

(1)不倫関係が解消されており、夫婦は婚姻を継続する
この場合は、職場内不倫の事実を勤務先に通知すれば、いずれか一方または双方の部署や勤務地を移動させるなどの対処が取られる可能性があり、それによって再度不倫関係に陥ることを予防できます。
行政書士

しかし、既に不倫関係が解消されている以上、問題が生じない余地がありますが、勤務先への通知は控えたほうが安全です。

不倫関係が続いている

(2)不倫関係が続いていて、夫婦は婚姻を継続する
この場合も、勤務先に通知することによって、その勤務先が不倫の当事者双方を別れるように説得してくれる可能性や、いずれか一方または双方の部署や勤務地を移動させることにより、不倫関係を清算せざるを得なくなる状態を作り出してくれる可能性があります。

不倫関係が続いていて婚姻を継続するのであれば、職場内不倫の事実を勤務先に通知することに実益がありますし、それなりの理由もあります。

行政書士

そのため、しかるべき部署(人事部や直属の上司等)だけに通知するのであれば、問題は生じない余地があります。

ただし、通知することに実益がなく、その通知の目的が報復や社会的制裁である場合には、名誉毀損等の問題が生じ、逆に損害賠償請求される可能性があります。

行政書士

ですから、基本的には通知しないほうが良いです。

離婚に至る

行政書士

次に、夫婦が離婚に至る場合です。

不倫関係が解消されている

(3)不倫関係は清算されており、夫婦は離婚に至る
この場合は、夫婦が離婚に至る以上、再度不倫関係に陥ったところで関係ない話です。

上記(3)及び(4)の場合に関しては、職場内不倫の事実を勤務先に通知することに実益は全くなく、単なる制裁や嫌がらせの意味しか持ちません。

行政書士

そのため、あえて実行すれば名誉毀損等の問題が生じる可能性があります。

不倫関係が続いている

(4)不倫関係は清算されておらず、夫婦は離婚に至る
この場合も、夫婦が離婚に至る以上、不倫関係が清算されることに意味はありません。

こちらも不倫関係が続いていたとしても、離婚する以上は関係ありません。
したがって、この場合も、あえて実行すれば名誉毀損等の問題が生じる可能性があります。

不倫再発の予防策

困惑

会社への通知をしないとなると、また不倫関係にならないか心配です……

行政書士

そうですよね。
職場内不倫が発覚した後でも、夫婦が婚姻関係を継続するのであれば、被害者がもっとも心配することは、その不倫当事者二人が再度不倫関係に陥ることです。

部署まで同じである場合はもとより、部署が異なっても同じ場所で働いている限り、通勤途中やエレベーターの中で接触する可能性があるのですからね。

不倫相手の退職

質問

何か方法はないのでしょうか?

行政書士

この問題の究極の解決方法は、その不倫当事者を物理的に引き離すことしかないでしょう。

なるほど

不倫相手を退職させるのですね!

行政書士

はい。
しかし、一般の企業においては、不倫があったからと言って懲戒免職になることはありません。
当事務所の経験上、警察等は少々話が違うようですけどね。

質問

ということは……

行政書士

不倫相手から辞職を申し出てもらう必要がありますね。

不倫相手に辞職を求める

質問

そもそも、不倫相手に辞職するように要求しても良いのですか?

行政書士

はい。
穏便にお願いという形をとるのでありましたら、要求しても問題ありません。

ただし、不倫相手が「辞職は絶対にしない」と拒絶している場合に、執拗に辞職を求め続けることには無理があります。

拒絶された場合

質問

では、拒絶された場合はどうすれば良いのですか?

行政書士

現実的な解決方法としましては、職務外での私的な接触を持たない旨を誓約させたうえで、その誓約に違反した場合は、違約金が発生するという内容の示談書を作成する以外にはないですね。

無理やり退職に追い込んだ場合

怒る

どうも納得できないです!

行政書士

そうですよね……
何とか不倫相手に退職してほしいという人も一定数います。

質問

もし、「辞職は絶対にしない」と拒絶している不倫相手に対して、勤務先に不倫関係を通知するなどして、辞職せざるを得ない状況に追い込んだ場合どうなりますか?

行政書士

それはものすごく危険ですね。
下手をすれば被害者と加害者が逆転する可能性があり、本来加害者であった配偶者の不倫相手から、退職しなければ得られたであろう逸失利益を請求される可能性があります。

驚き

ええっ!こっちが請求されるのですか?

裁判例

実際、不倫ではなくセクハラの事例ではありますが、地方公共団体の幹部職員からセクシャルハラスメントを受けたとして、これが強姦未遂であるという理由で、その地方公共団体に懲戒処分を求めた結果、退職を強要されたとして幹部職員から損害賠償を求めた裁判例(東京地裁・平18年10月30日)では、6500万円以上の逸失利益等が認められております。

不倫相手に使ったデート代などは請求できる?

職場内・職場外の不倫のいずれであっても、不倫をするにはある程度のお金がかかりますが、配偶者が不倫期間中に不倫相手に使ったデート代などの費用も請求できるのでしょうか?
それについては→次のページ(配偶者が不倫相手に使った費用の請求)で説明しています。

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