請求相手

謝罪

行政書士

ここでは、求償権について検討しましょう。

不倫・浮気の慰謝料を請求された方から以下のようなご相談を受けることが非常によくあります。
それは……

行政書士

「なぜ私だけが慰謝料を請求されるのでしょうか?」、「彼(彼女)も慰謝料を払うべきではないでしょうか?」

困惑

確かにひとりだけが請求されるのは不公平に感じますね……

請求相手として考えられる人

行政書士

ここでは、関係を分かりやすくするために、以下のようにA男さん、B子さん、C子さんという関係で説明します。

求償相関図

・不倫をした男性:A男さん(B子さんの夫)
・不倫をされた女性:B子さん(A男さんの妻)
・不倫をした女性:C子さん(A男さんの不倫相手)

行政書士

この場合、B子さんの請求相手として考えられるのは以下の二人です。

  1. 夫であるA男さん
  2. 夫の不倫相手であるC子さん

離婚か婚姻継続かで請求相手が異なる

行政書士

A男さんとB子さんが離婚するか、今後も婚姻関係を継続するかによって、慰謝料請求の対象相手が一般的には異なります。

離婚する場合

行政書士

まず、A男さんとB子さんが離婚するのであれば、B子さんはA男さんとC子さんに対して、それぞれ不倫の慰謝料を請求することが多いでしょう。

婚姻を継続する場合

しかし、まだA男さんに対して愛情が残っていたり、子供のことや、今後の生活などを考えたりして、離婚せずに婚姻を継続するという選択肢もあります。

行政書士

そのように夫婦が婚姻を継続する場合には、B子さんはA男さんに対しては慰謝料を請求せずに、C子さんに対してのみ請求することが一般的です。

質問

なぜですか?

行政書士

なぜなら、B子さんからA男さんに請求しても、結局は夫婦間でお金のやり取りをするだけですから、極端な話としては、自分(達)のお金を自分に払っているようなものだからです。

厳密に言えば、A男さんの個人財産からB子さんに慰謝料を支払うことになるのですが、財布は同じという夫婦も多いでしょうからね。
となりますと、B子さんとしてはA男さんではなく、C子さんのみに慰謝料を請求したいと考えることでしょう。

なぜ私だけ!?

行政書士

ここでC子さんとしては、「なぜ私だけが慰謝料を請求されるのだろうか?」「私も悪いけれど、A男さんだって悪いじゃない!」と考えるのです。

怒る

そのとおりだと思います!

そのように考えると、C子さんはB子さんからの慰謝料請求に納得がいかないのです。

共同不法行為

行政書士

このC子さんの考えは、法的に妥当だと思いますか?

なるほど

思います!

行政書士

確かに、普通に考えれば妥当ですよね。

しかし、不倫は当たり前の話ですが、一人で行うことはできず、男女二人で行われるのです。
そのため、法律上は共同不法行為(二人で悪いことをしたぐらいに理解してください)に該当し、加害者が二人いることになります。

上記の例で言いますと、不倫をしたA男さんとC子さんが加害者、B子さんが被害者です。

被害者はいずれの加害者にも請求できる

行政書士

そして、被害者であるB子さんの精神的損害額を仮に150万円とした場合、B子さんは、その精神的損害をA男さんに全額請求してもいいし、C子さんに全額請求してもいいし、A男さんとC子さんに半分ずつ請求してもいいのです。

また、A男さんに100万円、C子さんに50万円というように分割して請求しても構いません。

行政書士

要するに、被害者は、いずれの加害者にも請求できますし、加害者がどのような割合で慰謝料を支払うことになろうが、被害者の精神的損害が補填されればそれでいいということです。

そして、A男さんとB子さんが離婚に至らずに婚姻関係を継続する場合、B子さんからA男さんに慰謝料を請求しても、結局は夫婦間でお金のやり取りをするだけです。
したがって、B子さんとしては、C子さんにる精神的損害の全額を請求することが多いのです。

行政書士

よって、C子さんの「なぜ私だけが慰謝料を請求されるのだろうか?」「私も悪いけれど、A男さんだって悪いじゃない!」という考えは法的には妥当ではないのです。

やっぱりおかしい

行政書士

しかし、そうなると不倫がB子さんに発覚したことによって、経済的なダメージを受ける(不倫の慰謝料を支払う)のはC子さんだけとなってしまいます。

怒る

やっぱりおかしいです!

求償権

質問

そうすると、C子さんは一人だけで、B子さんの精神的損害全額を賠償しなければならないのでしょうか?

行政書士

結論として、C子さんは、B子さんの精神的損害全額を賠償する義務があります。

しかし、それだけで終わってしまいますと、A男さんは共同不法行為者であるにも関わらず経済的には無傷(?)でありますから、常識的に考えてもおかしな話です。

行政書士

そこで、C子さんはB子さんの精神的損害を賠償した後に、共同不法行為者であるA男さんに対して、A男さんの負担分を請求する権利があります。

なるほど

「とりあえず私がB子さんの精神的損害の全額を払っておいたから、あなたの負担分は私に払ってよね!」という感じですね!

行政書士

そのとおりです。
そして、この権利のことを求償権と言います。

以上のことをまとめますと、以下のようになります。

まとめ
(1)夫婦が離婚に至らずに婚姻関係を継続する場合、被害者は配偶者には慰謝料を請求せず、不倫に加担した第三者に対してのみ、慰謝料を請求することが多い。
(2)その場合「なぜ私だけが慰謝料を請求されるの?」ということを理由にして、被害者からの損害賠償請求を免れることはできず、被害者から慰謝料を請求された場合は、法的に妥当な金額を支払わなければならない。
(3)しかし、加害者の一方が被害者の精神的損害全額を賠償した場合、他方の加害者に対して、その人の負担分を請求する権利(求償権)がある。

求償権を間違って使えばどうなる?

上記のように自分だけが慰謝料を支払った場合は、求償権を行使することが可能になることがあります。しかし、それでは一時的にではあっても高額の支出が余儀なくされますね。
そこで、それを避けるために求償権を行使しないことを約束する代わりに減額してもらう方法があります。
しかし、その約束を申し出るときに間違った主張をしてしまえばどうなのでしょうか?
それについては→次のページ(求償権に関する間違った主張)で説明しています。

請求された人の人気記事

慰謝料は分割払いにできるの?

慰謝料を請求されたらどうすればいいの?

妥当な慰謝料額をどう伝えればいいの?

不倫の謝罪文とはどのようなもの?

請求された後に不倫相手と接触していいの?

不倫慰謝料相談室のメニューに戻る

不倫慰謝料、婚約破棄、離婚相談室TOPに戻る