相場程度の慰謝料額は痛くない

喧嘩

行政書士

ここでは、不倫相手にとって痛い請求額について検討しましょう。

配偶者の不倫相手・浮気相手に対する慰謝料の請求額を決めるにあたって、それを非常に高額(法外と言っても良いでしょう。)に設定する人がいます。

行政書士

その理由は相場程度の請求額では不倫相手にとって痛くない(ダメージがない)というものです。

例えば、その事例における一般的な慰謝料の相場は100万円であったとして、不倫相手は年齢のわりに預貯金が多い、高収入である、社会的地位が高い、親からの経済的な援助が期待できるなどの場合、「相場である100万円の慰謝料を支払わせたところで不倫相手には痛くも痒くもないから、500万円を請求したい!」という感じです。

困惑

全く問題ないように思えますが……

人は想像以上にお金にシビア

行政書士

しかし、そのような経済力のある不倫相手にとって、相場程度の慰謝料の支払いは本当に痛くも痒くもないのでしょうか?

客観的な価値が分かるもの

例えば、人のスマホを壊してしまった場合であれば、スマホの客観的な価値(値段)は家電量販店などで分かります。
そうすると、その客観的な価値(スマホの値段)を弁償することは仕方ないと思うのが普通です。

客観的な価値が分からないもの

しかし、精神的な損害は目に見えませんから、それを金銭に換算することは非常に難しいです。
そのため、慰謝料の計算式など存在しないのです。
このことについては、→こちらの不倫慰謝料の計算を参考にされてください。

行政書士

つまり、精神的な損害の客観的な価値は分からないのです。

そのため、当事務所のこれまでの経験上、人は程度の差こそありますが、よほどの低額でない限り、客観的な価値が分からない(目に見えない)精神的損害を賠償するための慰謝料という金銭を支払うことに躊躇するものです。

困惑

確かに客観的な価値が分からないものにお金は払いたくないですね……

よほどの低額とは

質問

でも、よほどの低額とはどれぐらいでしょう?

よほどの低額とは、普通の人にとっては数円から多くても数万円程度で、おそらく友人や知人と食事に行った際、「私が出すよ!」とためらいなく奢ることができる程度の金額です。

行政書士

つまり、人は想像以上にお金にシビアなのです。

結果的には不倫相手にとって痛い額を請求している

しかし、不倫の慰謝料が数円から数万円になるということは通常考え難いものがあります。
そのため、どうしても普通の感覚の人間であれば、支払いに躊躇する以上の金額を請求することになります。

行政書士

したがって、結果的に不倫相手にとっては痛い額の慰謝料が請求されていることになるのです。

高額な慰謝料を請求したい本当の理由

行政書士

次に、高額な慰謝料を請求したい本当の理由を検討しましょう。

質問

相場程度の請求では、不倫相手にとって痛くないからではないですか?

行政書士

ところが、実は高額な請求を望む人の本当の理由はそうではないのです。

不倫相手の経済状況が予想よりも悪かったことが判明した場合

例えば、不倫相手の経済状況がかなり良好だと予想して、最初は「相場程度の請求では不倫相手には痛くない」という理由で非常に高額を請求したとします。

行政書士

しかし、不倫相手の経済状況が予想よりも悪かったことが判明した場合、請求者としてはどういう対応を取ると思いますか?

例えば、高収入であることは高収入であるものの、財布は完全に配偶者に握られていて、不倫相手が自由にできるお金は微々たるものであるとか、実はどこかに多額の借り入れがあったなどですね。

なるほど

その場合は相場程度であっても、不倫相手には痛い額なのですから、相場程度までの減額に応じると思います!

行政書士

普通に考えればそうですよね。
ところが、そのような場合でも、高額の請求をする人は、相場程度までの減額に応じることはほとんどないのです。

相場程度の請求では納得できない

質問

なぜでしょうか?

行政書士

これは「相場程度の請求では不倫相手には痛くない」ということを理由にして、相場よりも非常に高額の請求を自分の中で正当化しているだけだからです。

確かに「相場程度の請求額では不倫相手には痛くない」という気持ちもあるのだと思います。
しかし、本当の気持ちは「相場程度の請求額では自分が納得できない」なのだと思います。

怒る

私が受けた精神的苦痛はこの程度の金額ではない!という感じですね。

自分の気持ちに正直に

このように高額な慰謝料を請求したい本当の気持ちは、「相場程度の請求額では納得できない」ことにあります。

そして、人間は自分の気持ちを偽ることに苦痛を感じるものです。
そのため、高額な慰謝料を請求したいのであれば……

行政書士

「相場程度の請求額では自分が納得できない」という気持ちに正直になったほうが自分自身も楽だと思います。

専門家に慰謝料請求を依頼する場合

行政書士

また、慰謝料の請求を専門家に依頼する場合も同じです。

質問

どういうことでしょうか?

「相場程度の請求額では不倫相手には痛くないから高額の請求をしたい」と言っていた人が、不倫相手の予期せぬ経済状況(予測していたより経済状況が悪い)が判明しても相場程度までの減額に応じなければ、依頼を受けた専門家も「以前と今では言っていることの辻褄が合わない」と感じます。

行政書士

そうするとどうなるでしょう?

悲しみ

双方の信頼関係が崩れそうです……

行政書士

そうですね。
そして、信頼関係が崩れれば、請求はうまくいかない可能性が高まります。

そのため、最初から「相場程度の請求額では自分が納得できないから高額の慰謝料を請求したい」という正直な気持ちを伝えておいたほうが、専門家との信頼関係が損なわれないでしょう。

慰謝料額にある程度拘ることは間違いでも恥ずかしいことでもない

そもそも、不倫によって受けた精神的損害は、金銭によって慰藉されるべきものです。
また、慰謝料の支払いを受けるのは、当然の権利です。

行政書士

そのため、法外な金額に拘り過ぎれば解決は難しいものの、ある程度金額にこだわることは決して間違っていることでも、恥ずかしいことでもないのです。

なるほど

自分の気持ちに正直になる必要があるし、それは正しいことなのですね!

行政書士

そのとおりです。
堂々と「相場程度では納得できないから○万円を請求する!」という気持ちで良いのです。

不倫相手はどのように考え、行動する?

慰謝料額に拘ることは悪いことでも恥ずかしいことでもありませんが、気になるのは請求した際の不倫相手の思考と行動パターンです。
慰謝料を請求された不倫相手はどのように考え、どのように行動するのでしょうか?
それについては→次のページ(不倫の慰謝料を請求された人の思考と行動パターン)で説明しています。

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