不倫の慰謝料を請求されても支払わなくてもいい場合

悩んでいる女性

請求されても支払わなくていい場合はあるの?

目次

  1. 1.「不倫・浮気=慰謝料発生」ではない
  2. 2.肉体関係を持っていない
    1. 2-1.会っていただけで慰謝料が認められることもある
    1. 2-2.実際に肉体関係を持っていなくても慰謝料が認められることもある
  3. 3.相手を既婚者と知らなかった
    1. 3-1.故意
    1. 3-2.過失
    1. 3-3.故意も過失もない
  4. 4.相手方夫婦の婚姻関係が破綻していた
    1. 4-1.婚姻関係の破綻は認められにくい
  5. 5.加害者の一方から相当額の慰謝料が支払われた
  6. 6.ダブル不倫の場合はどう対応する?

「不倫・浮気=慰謝料発生」ではない

謝罪

ある日、突然自宅に不倫・浮気に関する慰謝料の請求書(多くの場合は内容証明郵便で届きます。)が届いとしても、必ずしもその請求に応じなければならないわけではありません。

請求額満額を支払うことはもとより、そもそも一円たりとも支払う必要がない場合もあるのです。

肉体関係を持っていない

六法全書

まず、法律上の不倫(不貞行為)とは、原則として配偶者のある人と肉体関係を持った場合を指します。

したがって、例えば頻繁にLINEのやり取りをしていたとか、デートや食事をしただけであれば、それは肉体関係を持ったとは言えませんので、原則として不倫の慰謝料を支払う義務というものは生じないということになります。

ポイント

ここがポイント!


肉体関係を持っていなければ原則として慰謝料を払う必要はない。

会っていただけで慰謝料が認められることもある

ただし、肉体関係を持っていないとしても、会っていただけで慰謝料請求が認められた判例もあります。

これは、過去に不倫関係にあった男女が、深夜に密会を続けていたという事案です。

さすがに、このような事例では「また不倫関係を持ったのでは?」と推測されても仕方がないのでしょう。

詳しくは→こちらの「会っているだけで不倫の慰謝料を請求できる?」をご覧ください。

実際に肉体関係を持っていなくても慰謝料が認められることもある

また、例えば男女二人がラブホテルに入って、何もすることなく寝ていただけであったとします。

この場合、実際には肉体関係を持っていません。

六法全書

したがって、法律上の不倫には該当せず、慰謝料が発生しないとも思えます。

しかし、ラブホテルは通常性交渉を持つための場所でありますし、その中で実際に何が行われたかは当事者の男女二人以外は知ることができません。

そこで、仮に本当に何もなかったとしても、ラブホテルに長時間いた場合は、肉体関係があったものとして慰謝料が認められます。

他にも、一人暮らしの家に泊まっている場合や、そこに何度も足を運んでいる場合、泊りがけの旅行に一緒に行っている場合などは、例え肉体関係がなかったとしても、それはあったものとして慰謝料が認められる可能性が高いと言えます。

相手を既婚者と知らなかった

次に、不倫の慰謝料が発生するのは、不倫が不法行為(民法709条)に該当するからです。

そして、民法709条は「故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」とありますので、不倫の加害者に「故意」または「過失」があることが必要です。

故意

不倫の問題における「故意」とは、相手が結婚していること、つまり既婚者と知っていたということです。これは分かりやすいですよね。

既婚者と知っていながら不倫関係になったのであれば、以下で説明しております「不倫の時点で相手方夫婦の婚姻関係が破綻していた」場合か、あるいは「加害者の一方から相当額の慰謝料が支払われた」場合を除き、慰謝料を免れることは難しいです。

過失

不倫の問題における「過失」とは、相手が結婚していること、つまり既婚者と注意すれば知ることができたということです。

例えば、それなりの年齢であって既婚者であってもおかしくないとか、交際期間が長いにも関わらず相手の自宅に行ったことがないとか、基本的に会うのは平日のみであって土日には会えないなど、社会通念に照らせば相手を既婚者かどうか確かめるべきであったのに、それをしなかったような場合には、過失があるとされて、慰謝料を免れることは難しいです。

故意も過失もない

逆に言えば、故意も過失もない場合には、不倫の慰謝料を支払う義務はないことになります。

つまり、相手を既婚者であると知らなかったし、注意しても知ることができなかったような場合です。

例えば、独身者でなければ登録できない出会いサイトで知り合い、相手はまだ若く、短期間だけ交際したような事案であれば、相手を既婚者であると知らないことは当然ですし、それを注意しても知ることは難しかったと言えるでしょう。 したがった、このような場合は、原則として慰謝料を支払う必要はありません。

ポイント

ここがポイント!


相手を既婚者と知らなかったことについて、故意も過失もなければ慰謝料を払う必要はない。

相手方夫婦の婚姻関係が破綻していた

不倫関係が開始された時点より前に、既に相手方夫婦の婚姻関係が破綻していた場合も慰謝料を支払う必要はありません。

六法全書

なぜなら、肉体関係を持つことが不法行為となるのは、それが婚姻共同生活の維持という権利または法的保護に値する利益を侵害する行為であるからなのですが、不倫関係が開始された時点で既に婚姻関係が破綻していた場合には、そのような権利または法的保護に値する利益があるとは言えないからです。

婚姻関係の破綻は認められにくい

もっとも、婚姻関係が破綻していたという主張は、なかなか認められないものです。

夫婦が別居していたという事情があれば比較的婚姻破綻は認められやすいものの、別居していたら必ずしも婚姻破綻が認められるわけではありません。判例でも、冷却期間を置くために別居していたという事案では、婚姻破綻を認めていません。

裁判

一方、離婚に向けて協議していた場合などは、別居をしていなくても婚姻破綻を認めた裁判例もあります。

したがって、例え夫婦が寝室を別にしていたとか、ほとんど会話がないなどの事情があっても、離婚を前提に長期間別居しているか、離婚に向けての協議を進めているなどの事情がない限り、婚姻破綻という主張が認められる可能性は低いと言えるでしょう。詳しくは→こちらの婚姻破綻とはを参考にされてください。

ポイント

ここがポイント!


婚姻破綻は簡単に認められないが、相手方夫婦の婚姻関係が破綻していたのであれば、慰謝料は支払う必要はない。

加害者の一方から相当額の慰謝料が支払われた

不倫は当たり前の話ですが、少なくとも二人で行うものです。一人ではできませんからね。

ということは、不倫の加害者は少なくとも二人いることになります。

そして、不倫の慰謝料は不真正連帯債務(普通の連帯債務とは違うのですが、同じように考えても構いません。)となりますから、加害者が連帯して被害者に支払えば良いのです。

そうすると、例えばその事例における被害者の精神的損害額が300万円だったとすれば、加害者が共同してその300万円を支払うことになりますから、仮に加害者のうちの一人が被害者に300万円を支払ったのであれば、それによって被害者の精神的損害は補填されたことになりますので、他方の加害者は慰謝料を支払う必要がなくなるのです。

ポイント

ここがポイント!


加害者の一方が、被害者の精神的損害を全額支払っているのであれば、慰謝料を支払う必要はない。

ダブル不倫の場合はどう対応する?

ここまでは請求された側からの視点で見てきましたが、世の中の不倫の一定割合は既婚者同士のダブル不倫です。そこで、次以降はダブル不倫での問題についてご説明します。
まず、ダブル不倫の事例で慰謝料を請求する際に気をつけることは何でしょうか?
それについては→次のページ(ダブル不倫における慰謝料請求のポイント)で説明しています。

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