不倫の慰謝料を請求された人の反論

どのように争ってくるかを事前に知っておくことが有益

喧嘩

配偶者と不倫相手との間の不倫・浮気が発覚し、不倫の慰謝料を請求した場合、不倫相手は何とか慰謝料の支払いを回避しようと、あるいは何とか支払う慰謝料額を少なくしようとするのが普通です。

そして、不倫相手がその目的を達成するためにどのような反論をしてくるか、すなわちどのように争ってくるかを事前に知っておくことは有益だと思います。

怒る女性

なぜなら、その不倫相手からの反論を知っていれば、慰謝料を請求する際に、予想される反論を潰しておくことがでます。
そして、その結果として解決までの時間が短縮できるからです。

期間

例えば、不倫相手からAという反論が予想されるとします。
その場合、慰謝料を請求する時点でそれに触れずにいると、「私にはAという反論がある!」と言ってくるでしょう。
それに対して「Aというのは○○という理由でダメだよね」と次の書面を送付するにあたってその反論を潰す必要があります。

一方、慰謝料を請求する時点で「Aというのは○○という理由でダメだよね」と伝えておけば、無駄な反論に対応する必要もありませんので、解決までの時間が短縮できるわけです。

ポイント

ここがポイント!


不倫相手がどのような争い方をしてくるかを知っておくことは、解決までの時間を短縮できるために有効。

予想される反論と対応方法

疑問

では、不倫相手から予想される反論にはどのようなものがあるのでしょうか?

これについては、一般的な反論として大きく分けると以下のように4つがあります。

(1)不貞(肉体)関係を持っていない
(2)ご主人(奥様)が誘ってきた
(3)既婚者と知らなかった
(4)婚姻関係が破綻していた

不貞(肉体)関係を持っていない

喫茶店

例えば、慰謝料請求の書面を送付する前に不倫相手と喫茶店などで話をした際、ラブホテル等に行ったこと自体は認めたとします。

しかし、ラブホテルでは寝ていただけとか、カラオケをしていただけなどという、訳の分からない往生際の悪い反論をしているような場合を想定されてください。
こういう人、実際に多いのですよ……

このような人に請求をすれば、当然「不貞関係を持っていない」という反論が予想されますよね。

肉体関係がなければ慰謝料は発生しない

法律

確かに、法律上の不倫・不貞行為に該当するためには、原則として肉体関係があったことが必要となります。
詳しくは→こちらの不倫の基礎知識を参考にされてください。

したがって、たとえラブホテルに行ったとか、一人暮らしの不倫相手の自宅で朝まで過ごしたとしても、本当に肉体関係がなかったのであれば、不倫の慰謝料は発生しないのが原則です。

もっとも、ラブホテルや自宅というのは密室であって、常識的に考えてその中には配偶者と不倫相手しかいないわけです。

とすると、中で何が行われたかはその当事者二人にしか分かりません。

そのため、そのような密室にいたことだけで、実際に中では寝ていただけにせよ、カラオケをしていただけにせよ、肉体関係があったとされるのです。

裁判

したがって、そのような反論が予想される場合は、不倫の慰謝料を請求するにあたって、「ラブホテルに入っていたこと自体で肉体関係が認められる」ということを、裁判例を交えながら主張しておく必要があるのです。

具体的には「平成○年○月○日の○○裁判所における裁判例では、ラブホテルに入っていたこと自体で肉体関係を認めている」などです。

ご主人(奥様)が誘ってきた

喫茶店

例えば、慰謝料請求の書面を送付する前に不倫相手と喫茶店などで話をした際、「私はご主人(奥様)から誘われて関係を持ったのです」
「だから不倫にはあたらず、慰謝料など払う義務はないはずです!」ということを言っていたとします。

誘われた結果として関係を持ったらなぜ不倫にはあたらず、慰謝料が発生しないと考えることができるのか、私には理解に苦しむのですが、これもよくある反論です。
慰謝料が減額されるはず!という主張ならば分からないでもないですけどね。

このような人に請求をすれば、当然「ご主人(奥様)が誘ってきた」という反論が予想されますよね。

誘われた場合であっても慰謝料は発生する

結論から申し上げますと、配偶者から誘われて肉体関係を持ったとしても、不倫に該当し、慰謝料を支払う義務があります。

というのも、不倫は民法709条の不法行為というものに該当するため、不倫相手に慰謝料を請求できるわけです。
そして、その不法行為の成立には「故意または過失」があれば良いからです。

「故意」とは既婚者と知っていたという意味、「過失」とは注意すれば既婚者と知ることができたという意味ですが、そのような主観があれば、誘われたから肉体関係を持ったとか、お互いに愛し合っていたとかは無関係なのです。

裁判

したがって、そのような反論が予想される場合は、不倫の慰謝料を請求するにあたって、「誘われたとしても慰謝料請求は認められる」ということを、裁判例を交えながら主張しておく必要があるのです。

具体的には「平成○年○月○日の○○裁判所における裁判例では、このような事情において慰謝料請求を認めている」などです。

既婚者と知らなかった

法律

上記のように不倫の慰謝料を請求できるのは、不倫相手に故意または過失がある場合に限られます。

つまり、既婚者と知っていたという「故意」があるか、注意すれば既婚者と知ることができたという「過失」がなければ慰謝料は請求できません。

そこで、「ご主人(奥様)を既婚者であるとは全く知りませんでした」という反論が出てくることがあります。

特に、配偶者に事実関係を確認したところ、既婚であることを告げずに不倫をしていた場合などは、まずこのような反論が出てくることが予想されます。

そこで、以下のような場合には、仮に既婚者と知らなかったとしても、少なくとも「過失」はあるということを事前に書面に盛り込んでおいても良いでしょう。

勤務先が同じ場合

まず、既婚者であることを知らなかったという主張は、配偶者と不倫相手の勤務先が同じ場合は通る可能性が低いです。

常識的に考えても、同じ勤務先であれば、周囲の人間に既婚者であるかどうかを確認することができたわけだからです。

年齢が高い場合

20歳そこそこの結婚率は低いため、その人が既婚者であるか確認しなかったのもやむを得ない面があります。

しかしながら、例えば30歳や40歳であれば、結婚していても全く不思議ではありません。

そうだとすれば、それぐらいの年齢の人間と関係を持つに際しては、その人を既婚者であるかを確かめるべきであったと言えます。

したがって、これらの場合は、「仮に既婚者と知らなかったとしても、少なくとも過失はある」ということを事前に書面に盛り込んで、反論の目を潰しておいても良いでしょう。

婚姻関係が破綻していた

メール

例えば、慰謝料請求の書面を送付する前に不倫相手と配偶者のLINEやメール見たとします。

その中に、夫から不倫相手へ「妻との婚姻関係が破綻している」「家庭内別居だ」「離婚したいと思っている」というような内容のやり取りがあったとしましょう。

このような人に請求をすれば、当然「婚姻関係が破綻していた」という反論が予想されますよね。

婚姻関係の破綻は簡単に認められない

確かに、婚姻関係破綻後の関係に対しては、損害賠償責任を負うことはありません。

裁判所

これは最高裁判所の判例からも明らかです。

しかし、そう簡単に婚姻関係の破綻は認められません。

例えば、家庭内別居程度では婚姻関係の破綻とまでは言えず、同居しているような場合はお互いに離婚の合意ができているなどの事情が必要となるのです。
婚姻破綻について詳しくは→こちらの婚姻破綻とはを参考にされてください。

そこで、不倫相手が、婚姻関係が破綻していると思っていたと予想される場合は、「○○という事情(例えば週末には家族で一緒に外出していたなど)がある以上、円満な婚姻生活だった」というような感じで、事前に「婚姻関係が破綻していた」という反論を封じておくべきでしょう。

ポイント

ここがポイント!


不倫相手の争い方で多いパターンは、(1)肉体関係を持っていない(2)誘われた(3)既婚者と知らなかった(4)婚姻関係が破綻していたのいずれかなので、それらの言い訳を事前に封じておくことが重要。

請求されたらどうする?

ここまで請求者の視点で説明してきましたが、請求された側からの視点で不倫問題を考えれば、請求をより成功させることも可能です。
そこで、慰謝料を請求されたらどのように対応すれば良いのでしょうか?
それについては→次のページ(不倫の慰謝料を請求されたら)で説明しています。

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