会っているだけで不倫の慰謝料を請求できる?

悩んでいる女性

会っているだけで慰謝料を請求できるの?

原則は請求できない

喧嘩

不倫(不貞行為)の慰謝料を請求するためには、原則として配偶者と不倫相手の間に肉体関係があることが必要です。

例えば、単に会っていたとか、メールをしていたとか、LINEをしていた、電話をしていたなどでは、原則として法律上の不貞行為には該当しませんので、不倫の慰謝料を請求することはできません。

個人的には立派な(?)不倫だと感じるのですけどね……

ポイント

ここがポイント!


原則として会っているだけでは慰謝料を請求できない。

判例

判例(東京地裁平成20年12月4日)でも、交際相手と配偶者が会っていたことや、メールのやり取りをしていたことに対して、慰謝料を請求したものの、「これらの行為が不法行為を構成するとは言えず」と、慰謝料は認められませんでした。

例外的に請求できる

もっとも、絶対に慰謝料が認められないというわけではありません。

例外ではありますものの、会っていたこと自体が不倫とされることもあり、その場合には慰謝料も認められることになります。

判例でも、以下のように単に会っていただけでも慰謝料請求を認めたものがあるのです。

事案の概要

裁判

この事案では、妻がある男性と以前不倫をしていました。そして、それを知った夫は、不倫相手の男性に対して慰謝料を請求し、80万円を支払うということで一度は和解し、その80万円は分割にて完済されました。

ところが、その後も妻と不倫相手の男性は、肉体関係を持った証拠自体はないものの、深夜に面会していたのです。

つまり、夫に不倫関係が発覚し、慰謝料を支払った後にも、まだ妻と不倫相手の男は密会を続けていたということです。

結局、夫婦の5年程度の婚姻関係は離婚に至り、夫はその不倫相手の男性に再度慰謝料を請求(550万円)したところ、裁判所は80万円の慰謝料と8万円の弁護士費用を認めました。

  • ※参考判例(東京地裁平成25年4月19日)
  • 深夜の時間帯において妻と面会していた不倫相手の行為は、不倫相手が妻と再び不貞関係を再開したのではないかとの疑いを抱かせるのに十分な行為であり、夫と妻の婚姻関係を破綻に至らせる蓋然性のある行為であると認められるから、かかる不倫相手の行為は、夫に対する不法行為に該当するものと認めるのが相当

例外的に慰謝料が認められる条件

これらのふたつの判例は、「会っていた」こと自体はどちらも同じであるにも関わらず、前者は慰謝料が認められず、後者は慰謝料が認められています。

違いは、その会っていた二人が過去に不倫関係にあったということですね。

したがって、過去に不倫関係にあった二人が深夜に密会しているなどの状況があれば、例えそのときにおける肉体関係を証明できなくとも、不倫にあたるとされて、慰謝料が認められる可能性があるということになると思われます。

ポイント

ここがポイント!


かつて不倫していた二人が深夜に会っているなどの怪しい状況があれば、会っているだけでも慰謝料を請求できる可能性がある。

示談書で再発予防

示談書

しかし、過去に不倫関係にあった二人が会っていたから慰謝料が認められたとしても、その被害者は嬉しいわけではないでしょう。

そのような慰謝料が認められるよりも、そもそも過去に不倫関係にあった二人が二度と会わないことを望むのではないでしょうか。

そうだとすれば、再度会った場合には違約金が発生するなどの条項を盛り込んだ、しっかりした示談書を作成して、予防しておくことをお勧めします。

ポイント

ここがポイント!


不倫関係の再発は、違約金条項を盛り込んだ示談書で予防する!

慰謝料の肩代わりを防止できる?

会っているだけで請求できることもありますが、その慰謝料が配偶者の財布から出たのであればあまり意味がありません。
そこで、配偶者が慰謝料を肩代わりすることなく、不倫相手だけに支払わせることはできるのでしょうか?
それについては→次のページ(不倫相手だけに慰謝料を支払わせることができるか)で説明しています。

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