結婚していたの?

行政書士

ここでは、既婚者と知らなかった場合の慰謝料支払い義務について検討しましょう。

当事務所によく寄せられる相談のひとつに、既婚者と知らずに交際していたら、突然交際相手の妻(夫)と名乗る人物から慰謝料を請求されたというものがあります。
このような場合、請求された人は何が何やら事情が飲み込めず、パニックに陥ることが多いです。

困惑

確かに……

行政書士

このことを、相手を既婚者と知っていた場合と比較してみましょう。

既婚者と知っていた場合

行政書士

そもそも、交際相手を既婚者と知っていながら、不倫・浮気の関係を続けていたのであれば、一般的な道徳観を持っている人間は「やましいことをしている」という感覚を持っています。

なるほど

普通はそうですね!

そのため、不倫の事実関係が配偶者に発覚した場合、慰謝料が発生することまでは知らないとしても、何か大変なことが起きることは予想しているものです。

行政書士

したがって、慰謝料を請求されてもそこまで驚かないものです。

既婚者と思ってもいなかった場合

行政書士

しかし、相手を既婚者と知らずに交際していた人は、何ら「やましいことをしている」という感覚を持っていません。

当たり前の話ではありますが、独身の人と交際することは自由ですからね。

そのため、突然交際相手の妻(夫)と名乗る人物から慰謝料を請求されれば、「えっ!結婚していたの?」「そんなこと知らなかったのに慰謝料を払う必要があるの?」「そもそも、私は悪いの?」という感じで訳が分からなくなるわけです。

困惑

そうなりますよね……

慰謝料発生の根拠

質問

でも、相手を既婚者と知らなかった以上、その人は悪くないのですから、慰謝料を払う必要はないですよね?

行政書士

ところが、そうとも言い切れないのです。

そもそも、不倫・浮気をした場合に慰謝料が発生するのは、不倫・浮気が不法行為に該当するからです。

行政書士

そして、不法行為にあたるためには、不倫をした人に「故意」または「過失」が認められる必要があります。

逆に言えば、「故意」または「過失」がない限り、既婚者と不倫をしたとしても、慰謝料は発生しないということになります。

故意または過失

質問

故意または過失?

故意

行政書士

不倫問題における「故意」とは、「既婚者と知っていた」ということを意味します。

したがって、このページでご説明したい「既婚者と知らなかった場合」では関係ありません。

過失

行政書士

一方、「過失」とは、予見可能性を前提とした結果回避義務の行為を言います。

悲しみ

全く意味が分かりません……

行政書士

そうですよね。
簡単に言えば、不倫問題における「過失」とは「不注意で既婚者と知ることができなかった」ということを意味します。

そのため、「不注意で既婚者と知ることができなかった」のであれば、「過失」があったとなり、例え交際相手を既婚者と知らなかったとしても、慰謝料は発生してしまうことになります。

驚き

えっ!?

行政書士

一方、「既婚者と知ることができなかった」ことがもっともであれば、「過失」があったとは言えませんので、慰謝料は発生しません。

過失の有無の判断基準

質問

では、過失があったかどうかはどのような基準で判断されるのですか?

知り合ったきっかけ

行政書士

そもそも、男女が知り合うきっかけには、様々なものがあります。

勤務先・趣味のサークル・合コン・出会い系サイト

例えば、勤務先が同じであるとか、趣味のサークル、合コンや出会い系サイトなどで男女が知り合うことがありますね。
そして、勤務先や趣味のサークルには既婚者もいれば独身者いるはずです。

行政書士

また、合コンや出会い系サイトに既婚者が参加していることも多いです。

驚き

えっ!?

行政書士

確かに、既婚者が合コンに参加したり、出会い系サイトを利用することはどうよ?と思いますが、実際はそのようなことが多々あるのです。

怒る

ふざけた話です!

行政書士

確かにふざけた話なのですが、このようなきっかけで知り合った場合は、「過失あり」とされる可能性があります。

お見合いパーティー

一方、例えば、通常は独身者しか参加しないお見合いパーティーなどで知り合った場合、既婚者が紛れ込んでいるとは一般的に考えないでしょう。

行政書士

そこで、このようなお見合いパーティーのようなきっかけで知り合えば「過失なし」とされる可能性があります。

交際期間

男女の交際に限らず、見ず知らずの人間同士は、当初はお互いのことをよく知らないものです。
そして、交際を続けていくうちに、相手のことをよく知るようになるのが通常です。

短期間
行政書士

となると、交際期間が短ければ短いほど、交際相手が結婚していることを知らなかったとしても仕方ないだろうとして、「過失なし」とされる可能性があります。

長期間
行政書士

逆に、長期間の交際をしていたのであれば、その間に交際相手を既婚者と確かめることも十分可能であったと言えますので、「過失あり」とされる可能性があります。

交際相手の年齢

2015年の統計によりますと、平均初婚年齢は夫が31.1歳、妻が29.4歳ですから、30歳前後の男女が結婚していてもおかしくないと言えます。
しかし、22歳などの年齢で結婚している人はそう多くありません。

交際相手が若い
行政書士

ですから、そのように交際相手が若いのであれば、一般的に独身である可能性が高いと言えますので、交際相手が結婚していることを知らなかったとしても仕方ないだろうとして、「過失なし」とされる可能性があります。

交際相手がそれなりの年齢
行政書士

逆に、平均初婚年齢である30歳ぐらい、あるいはそれ以上の年齢の相手は、一般的に既婚者であってもおかしくないわけですから、交際するにあたって、相手を既婚者と確かめるべきであったと言えますので、「過失あり」とされる可能性があります。

ダブル不倫の場合はどう対応する?

ここまでは請求された側からの視点で見てきましたが、世の中の不倫の一定割合は既婚者同士のダブル不倫です。そこで、次以降はダブル不倫での問題についてご説明します。
まず、ダブル不倫の事例で慰謝料を請求する際に気をつけることは何でしょうか?
それについては→次のページ(ダブル不倫における慰謝料請求のポイント)で説明しています。

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