書面の送付先

喧嘩

行政書士

ここでは、慰謝料請求の内容証明郵便の送付先について検討しましょう。

原則は自宅

行政書士

まず、内容証明郵便は原則として自宅へ送付すべきです。

質問

なぜ自宅が原則なのでしょうか?

自宅であれば無関係の第三者に知られない

行政書士

自宅であれば、同居している場合は家族に不倫の事実が知られるかもしれませんが、少なくとも無関係の第三者には不倫の事実が知られることがないからです。

例外として勤務先

行政書士

しかし、他に考えられる送付先として、勤務先があります。

法律上の問題

質問

勤務先へ内容証明郵便を送付することは、法律上の問題はないのですか?

内容証明郵便を勤務先へ送付してはならないという法律の規定はありません。

行政書士

したがって、法律上の問題自体はありません。

加害者の感情の問題

なるほど

ということは、勤務先へ送付しても良いのですね!

行政書士

ところが、そうとも言えません。
法律上の問題がなくとも、加害者の感情の問題が生じ得るのです。

質問

どういうことでしょう?

勤務先への送付はある意味嫌がらせ

そもそも、前述のように内容証明郵便は原則として自宅へ送るものです。
それにも関わらず、勤務先へ送付するということは、ある意味嫌がらせです。

怒る

不倫をした以上、いくらかの嫌がらせをされても仕方ないと思います!

行政書士

確かにそのような考え方もあるでしょう。
しかし、嫌がらせをすることによって、問題の解決が難しくなる可能性があるので、それは請求者にとっても得策ではないのです。

質問

どういうことでしょう?

勤務先に内容証明郵便が届いた場合、そこに記載されている内容までは勤務先の人間に知られることはありません。
しかし、個人宛の内容証明郵便が勤務先に届くことは、一般的にはありません。
そうすると、それが届いたことによって、その人は何らかのトラブルを抱えていることが勤務先の人間にも知られてしまいます。

行政書士

そして、そのようなことが知られた場合、請求された人は「嫌がらせを受けた」と感じて、穏便な解決を目指すのではなく、徹底抗戦の意思を持つ可能性があります。

困惑

それは困りますね……

行政書士

そうですね。
徹底抗戦をされれば、どうしても解決は長引きますからね。

このように、勤務先へ内容証明郵便を送付することは、「嫌がらせを受けた」という加害者の感情の問題が生じる可能性があるのです。

自宅の住所が分からない場合

質問

でも、自宅の住所が分からない場合はどうすれば良いのですか?

連絡手段があるなら聞き出す

行政書士

自宅の住所が分からない場合であっても、不倫相手とメールやLINEなどの連絡手段があるならば、まずは自宅の住所を聞き出しましょう。

質問

聞き出したところで、教えてくれるのでしょうか?

行政書士

勤務先へ送られるよりは、自宅へ送られたほうが良いと考える不倫相手もいますので、教えてくれる可能性はあります。

文面

質問

どのような感じで聞き出せば良いですか?

行政書士

例えば以下のような文面です。

文面

○○の妻(夫)です。
貴方宛に書面を送付するので、○月○日までにご自宅の住所を教えてください。
なお、上記期日までにご返信がない場合は、やむを得ず勤務先へ書面を送付します。

このような文面を送って自宅の住所を聞き出すことに成功すれば、自宅へ送付すれば良いです。
一方、それでも自宅の住所を教えない場合は、不倫相手としては、自宅よりも勤務先で受け取ることを希望していると考えられます。

行政書士

したがって、勤務先へ送付したとしても、「嫌がらせを受けた」と感じて徹底抗戦の意思を持つ可能性は低いので、遠慮なく勤務先へ送付すれば良いのです。

連絡手段がない場合

質問

では、不倫相手との連絡手段がない場合はどうすれば良いですか?

行政書士

その場合は、請求者としては自宅の住所を聞き出す手段がない以上、勤務先へ書面を送付するしかありません。
ただし、以下の2点に注意してください。

  1. 親展にする
  2. 次回以降の書面の送付先を確認する

親展にする

行政書士

まず、封筒には必ず「親展」という印鑑を押印するか、赤字で記入すべきです。

質問

なぜでしょう?

行政書士

さすがに、書面を受け取った勤務先の第三者が勝手に開封するとは思えませんが、万が一その第三者が開封してしまった場合に備えるためです。

親展の印あるいは記載がある場合

「親展」の印あるいは記載があるにも関わらず、第三者が勝手に開封して記載内容が周囲に漏れたとしても、請求者としてはなすべきことをなしたと言えます。
したがって、記載内容が周囲に漏れたことは勝手に開封したその第三者の責任となります。

親展の印あるいは記載がない場合

一方、「親展」の印あるいは記載がないため、第三者が開封して記載内容が周囲に漏れた場合、認められる可能性は低いでしょうが、名誉毀損等で損害賠償請求をしてくる可能性があります。

行政書士

このように、万が一のリスクに備えておくべきです。

次回以降の書面の送付先を確認する

そもそも、不倫の慰謝料問題が解決するまでは、何度も不倫相手と書面のやり取りをする必要があります。
そして、初回の送付時点では住所を知らなかったために、勤務先へ送付することがやむを得ないとしても、不倫相手は勤務先へ送られてくるのを嫌がる可能性もあります。

行政書士

そこで、文章の最後にでも、以下のように次回以降の書面の送付先を確認する文面を添えておけば、「嫌がらせを受けた」と感じて徹底抗戦の意思を持つ可能性は低いです。

文面
文面

今回は自宅の住所が分からなかったので勤務先へ送付しましたが、次回以降の書面は自宅への送付を希望するのであれば、ご自宅の住所を教えてください。

請求には内容証明郵便を使用しなければならない?

ここまで内容証明郵便の書き方や送付先をご説明しましたが、そもそも慰謝料は内容証明郵便を使用して請求しなければいけないのでしょうか?
それについては→次のページ(内容証明郵便を使用しない不倫慰謝料請求)で説明しております。

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