示談書を準備した婚約破棄慰謝料請求
元婚約者に婚約破棄の慰謝料(損害賠償)を請求する場合、内容証明郵便等の書面を送付するのが一般的な方法です。
しかし、これには大きなデメリットがあります。
そのデメリットとは、時間がかかるということです。
というのも、まず慰謝料請求書面を作成することに時間がかかります。
そして、その請求書面に対して回答や何らかの対応を求めるわけですが、「書面到達後3日以内に金○万円を振り込んでください」とか「書面到達後3日以内に回答書面を送ってください」などと記載することは現実的ではなく、どうしても「書面到達後10日以内に」などと元婚約者にもある程度の期限を与える必要があるからです。
そして、元婚約者から回答や何らかの対応に対して、また書面で・・・ということを繰り返していれば、最終的な解決までかなりの時間がかかることはご理解いただけると思います。
請求の精神的負担を少なくするには?
婚約を破棄された人、または、婚約者の浮気や暴力によって婚約を破棄せざるを得なかった人は、精神的にものすごく傷ついています。
そして、元婚約者に慰謝料(損害賠償)を請求することで、さらに精神的な負担がかかることになります。
その精神的負担をできるだけ少なく済ますには、極力早く婚約破棄問題を解決させることです。
解決が長引けば長引くほど、精神的な負担が増大するわけです。
請求を一番早く終わらせるには?
上記のように、元婚約者に慰謝料(損害賠償)を請求する際に、解決が長引くことは精神的な負担が増大することを意味しますから、できるだけ早く解決させる必要があります。
一番早い解決方法は、元婚約者をどこか(喫茶店やホテルのロビー等)に呼び出して、その場で事前に用意しておいた示談書(和解書)に署名捺印させることです。
この方法であれば、その日一日だけで解決させることも可能です。
婚約解消後、元婚約者に会うということは、非常に抵抗があることかもしれませんし、勇気がいることであるとは思いますが、とにかく一日でも早い解決を望んでおられるのであれば、元婚約者と直接会われて、その場で示談書(和解契約書、和解書)に署名捺印させる方法を検討されてもいいのではないかと思います。
事前の準備
婚約破棄の慰謝料(損害賠償)問題を一日も早く解決させるためには、元婚約者をどこかに呼び出して、その場で用意しておいた示談書(和解書)に署名捺印させることが一番であることは、前述の通りです。
そして、そのためには事前に示談書(和解書)を用意しておく必要があります。
まず、希望する慰謝料額が婚約者に受け入れられるとは限りませんので、慰謝料額だけで何種類も示談書を用意しておく必要があります。
例えば、婚約破棄の慰謝料として200万円を受け取ることを目標としていて、最低でも150万円は受け取らないと納得できないと思われるのであれば、 200万円、190万円、180万円、170万円、160万円、150万円という具合に、請求する慰謝料額を10万円刻みなどで記載したものを用意します。
次に、婚約破棄の慰謝料は原則として一括払いなのですが、元婚約者に預貯金があるとは限りませんので、分割払いになることを想定しておく必要があります。
上記の例で言えば、200万円、190万円、180万円、170万円、160万円、150万円の分割払いバージョンの示談書(和解書)を準備するのです。
月々の支払額(5万円、4万円、3万円など)ごとに用意しておけばさらにいいでしょう。
さらに、示談書(和解書)には、慰謝料額以外にも様々な約束事を記載することになるのですが、元婚約者が抵抗しそうな条項で、請求者がそれほどこだわりない条項があれば、その条項のあるバージョンとないバージョンの示談書(和解書)を用意しておけば完璧です。
ここまでご覧になられればご理解いただけると思いますが、何十種類もの示談書(和解書)を事前に準備しておくわけです。
作成の準備は大変ですし、印刷することも、持ち歩くことも大変ではありますが、これだけ準備しておけば、一日で解決できる可能性が格段に高まることになります。
仮に、この方法での話し合いが決裂したのであれば、そのときには内容証明郵便等を送付して請求に移ればいいのですから、できるだけ早い解決を望まれているのであれば、この方法を検討されてみることをお勧めします。
もっと効率的な方法
「えっ?何十種類もの示談書を準備するの?そこまでの気力はないわ・・・」という女性(男性)もいるでしょう。
婚約破棄をされた、あるいは相手方の不貞行為や暴力等によって婚約破棄をせざるを得なかっただけでも精神的に傷つき、不安定になっている人に、これだけの準備を要求することは酷であると私も思います。
あります!そこで、もっと簡単で効率的な示談書の準備方法を紹介します。
そもそも、なぜ何十種類もの示談書を準備しておく必要があるのかを思い出してください。
それは、元婚約者との話し合いの内容に沿って、その場で適切な示談書に署名捺印するためですよね。
ということは、雛型だけ一種類準備しておいて、その場において話し合いで決まった内容に沿って修正してしまえばいいわけです。
「そんなことができるの?」と思われるでしょうが、できるのです!その方法は、以下のいずれかです。
1 弁護士や行政書士に待機してもらう
非常にシンプルな方法です。
事前に依頼しておいた専門家(弁護士、行政書士等)に示談書の雛型を作っておいてもらって、それを元婚約者にまずは提示します。
そして、雛型通りに双方が合意に至ったならそのまま署名捺印すればいいですし、修正があれば即座に依頼した専門家に電話で連絡し修正してもらいます。
あとは、その専門家が修正した示談書をネットプリントというサービスを使って、セブンイレブンにデータとして送ってもらいます。
すると、その修正した示談書を近くのセブンイレブンにおいてあるコピー機で印刷することができるので、それに署名捺印すればいいのです。
2 自力で全部やってしまう
事前に示談書の雛型を作成しておいて、それを元婚約者に提示するまでは同じですが、修正があれば自力でその場で修正してしまうという方法もあります。
この方法に必要なものとしては、ノートパソコンと外出先でインターネットに接続できる環境(公衆無線LANやデータ通信)です。
ノートパソコンに示談書の雛型をデータとして入れておけば、元婚約者との話し合いの内容に沿ってその場ですぐに修正できます。
それをその場からネットプリントのサービスを使って、セブンイレブンにデータとして送れば(ここでインターネットに接続できる環境が必要となるのです)、近くのセブンイレブンにおいてあるコピー機でその修正した示談書を印刷することができますので、それに署名捺印すればいいのです。
なお、元婚約者との話し合いが長時間に及ぶこともありますので、ノートパソコンはバッテリーがある程度の時間持続するもの(いわゆるモバイル用のパソコン)があればベストですが、電源を借りることができる喫茶店等もありますので、このためだけに新たに用意される必要はないでしょう。
また、公衆無線LANは一日だけなら数百円で利用できるサービスもあります。
この「方法その1」と「方法その2」の唯一のデメリットは、セブンイレブンが近くにないと選択できないということですので、横浜や東京在住の方は問題ないのですが、地域によっては使えない方法です・・・
元婚約者の印鑑はどうする?
これはまったくその通りであり、そのように伝えればおそらく元婚約者は待ち合わせ場所に現れることはないでしょうし、それ以前に話し合いに応じることがないかもしれません。
しかし、示談書に署名捺印してもらうためには、元婚約者の印鑑が当然必要になります。
ですから、「婚約破棄の件で話がしたいから、何月何日何時に○○に来てください」とだけ伝えられて、元婚約者の印鑑は請求者の側で用意されればいいでしょう。
どうやって元婚約者の印鑑を用意するかは、難しく考えられる必要はなく、示談書に署名捺印する印鑑は実印である必要はなく、いわゆる三文判で構わないわけですから、お近くの100円ショップで購入されておけばいいのです。
